環境省の「学校エコ改修と環境教育事業」のモデル校として荒川区第七峡田小学校が選ばれました。校舎そのものが環境教育の教材となります。災害時には避難所ともなる体育館にはOMソーラーが採用され、相羽建設はOM部分の施工をしました。
設 計 | ![]() |
船越徹+ARCOM |
建物概要 | ![]() |
建物延床面積 体育館:530㎡ |
完成 | ![]() |
2007年12月 |
「荒川区は人口が密集している地域で、木造家屋が立て込んでオープンスペースが少ないので、災害時における対策が非常に重要です。学校施設、特に体育館は地域の避難所となるため、受け入れ態勢として耐震補強は早くからなされていますが、その次の段階として環境改善に関しても考えていかなければなりません。その一つの解決策として、今回の改修工事が参考になるのではないかと考えています」とお話してくれたのは、荒川区教育委員会の大内武彦氏。学校施設としてだけでなく、災害時には地域住民の避難所としても使われる体育館。降り注ぐ太陽のエネルギーを積極的に取り入れてほどよい心地よさを生み出すOMソーラーは、太陽の変わることのない明るさと豊かなエネルギーとで、人々の心さえも包み込み解きほぐしてくれるのです。第七峡田小学校の児童だけでなく、隣接する荒川区立町屋幼稚園の園児たち、さらには地域の活動にも利用されている体育館に、環境に配慮した温熱環境の改善を目的として導入されたOMソーラーシステム。その効果については、「冬場は足が冷えませんし、夏場も外から中に入るとホッとする感じがあって、地域の方々も『快的です』とおっしゃってくれています。」と吉野校長。
こうして行われた荒川区第七峡田小学校のエコ改修工事は、「児童の皆さんに説明させていただきながら進めていきました。例えばOMソーラーについても、自分達の手で模型を作り、どういう仕組みなのかを勉強されて、説明できるところまで理解してくれました」という設計者のことばどおり、児童にとってはエコ改修工事そのものが、貴重な環境教育の教材となっています。(OM計画株式会社発行「OMreport環境共生建築レポート持続可能な社会と建築をつくるために April,2009 volume52」より抜粋 写真/上田明)