NO.0083 S邸 東京都小平市 OMソーラー

POINT

ご主人が現場監督、奥様が設計のお仕事をされているご夫婦の住まいです。
常日頃からの家づくりへの探究心が生んだこの家は、実証実験住宅ともいえます。
住まい始めてから、果たしてその成否の程は!?

設  計 → 相羽建設スタッフ設計
建物概要 → 敷地面積 99.18㎡(29.94坪) / 建物延床面積 77.95㎡(23.52坪)
主な仕上 → 外壁 ガルバリウム鋼板・しっくい壁
内部 (天井)月桃紙 (壁)ヘルスコート塗(墨)・杉板素地・薩摩中霧島壁 (床)杉材
完成 → 2005年4月

外観

外観

リビング

リビング

吹き抜け

階段

なかなか進まぬ設計作業

間口5.4mの狭小敷地に車二台を入れることを前提に考えると、残された広さは1フロア12坪程度。平面計画はその制限の中でやりくりするしかないので、当初より、最終案に近い内容で決まりました。 問題だったのは立面計画で、このまま南に勾配を下げる通常のOMソーラー式の屋根をかけてしまうと南面よりの採光と風通しが、不十分なものになってしまいます。そこで、南面は全てガラス窓にして光と風を入れ残された垂直面とその直下に大庇を製作してそこをOM集熱面としました。(左下の立面図をご覧下さい。)このような大胆奇抜なフォルムは本当に美しいかどうか・・・確信を得るまでに数ヶ月経っていました。

自然のままでコストダウン

「自然素材を使うと高くなる」、残念ながら現状はそのケースが多いです。
そこで挑んだのが、『安い素材を使う』『素材に何も手間暇かけない』ということでした。
  ①アプローチ・玄関土間は、敷地の土を搬出することなく、珪藻土とプラスターを混ぜ、  たたいて固め、水を掛けて硬化させました。(セルフビルド)
   車のタイヤがから回りすると土が削れてしまうので、丁寧に入庫する必要があります  が愛着は増すばかりです。
  ②下地用の杉の板、いつもは化粧仕上げ材の下にいる物を仕上げに使いました。部分的  に使っただけでは、ただの安物にしか見えないので、ボリュームと粗い目透かしで建  物の全体を貫くポリシーに合うものとしました。)

夏の暑さの克服

暑い空気は上へ上へと昇り、夏場のロフトは必ずしも居心地の良い場所ではありません。屋根面のクーリング装置として、板金屋根下に通気層を作り、その空気をファンで強制排気する工夫をしました。5℃を越える昼間でもロフトでパソコンをしていられるので効果はあるようです

ワタシ流ハンドリングボックス操作法(トモス製TC-5 制御盤の場合)

<梅雨の時期>
家の中はジメジメしますが、ちょっとした晴れ間や曇りの時、30℃位の棟温があれば、室温設定ボタンを「ツネニトリイレ」にします。すると、湿度の下がった空気を取り込むことができます。<初夏を思わせる暑い日>
ロフトにたまった暑い空気、これを排気してしまうにはもったいないです。循環ボタンを押して、ひんやり少し湿度の高い床下に送り込みましょう。床下温度を上げることでカラリとします。窓は開け放ち空気を入れ替えれば、室温は上昇することはありません。
<冬の補助暖房>
エアコンや加温ボックスを使う前に、吹き抜けやロフトにある暖められた空気を利用しましょう。人が暮らしていれば、調理器具・照明器具・テレビ・人体といろんな熱源があります。案外天井直下は暖かいもの。循環ボタンを押してみましょう。エアコンを使っているなら尚のこと効果抜群。私はガスファンヒーターから出る温風を、ハンドリングボックスで床下に送っています。

 

これから家を建てられる皆様の糧として

ここには書ききれないいろんな試みをしています。その中で、お勧めできるものがあれば、これからの提案の中に活かしてゆきたいと思っています。ご興味のある方の見学も歓迎いたしますので、担当営業までお申し出下さい。

間取り

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